怒ることは「悪」ですか?

今年6月からパワハラ防止法が施行されたこともあってか、最近アンガーマネジメントを研修に取り入れる企業さんが増えてきています
企業研修以外でも個人的に
「怒りっぽい性格を何とかしたのでアンガーマネジメントを教えてください」
と言われることが多いのですが、受講生にまず最初にお伝えしている事があります
それは
「怒ることは悪いことではない」
と言うことです

アンガーマネジメントについて皆さんが勘違いしがちなのは
「怒ることはいけないことだ」
「怒らないようにすることがアンガーマネジメントだ」
「怒りを我慢することができればうまくいく」
という先入観です

アンガーマネジメントとは怒らないようにすることではなく
「怒り」で「後悔しないこと」
なのです
この「後悔」を引き起こす場面は2種類あります
・「怒ることで生まれる後悔」
・「怒らないことで生まれる後悔」
それぞれについて説明していきますね

1感情ではなく行動をコントロールしよう!
(怒ることで生まれる後悔をなくす)

怒りで後悔したことはどんなことがあるでしょうか?
こう聞くとほとんどの方が
「部下(同僚・友達)に対して怒って酷いことを言ってしまった」
「感情に任せて怒りをぶつけてしまった」
というように、自分の怒りという感情そのものではなく、怒りの感情から出た行動に対して後悔しているのです

ところが多くの方は怒りと言う感情そのものが悪いことであるかのように錯覚してしまいます
ここでしっかりとおさえていただきたいのは
感情と行動をしっかりと分けて考えていただきたいということです

・感情のコントロール

正直なところ、感情をコントロールするなんて無理です
だってそうでしょう?目の前にいる最愛の恋人を「今から嫌いになってください」と言って嫌いになれますか?
勉強の大嫌いな子どもに「嫌だと思うからつらいんだ、好きになれば楽になる」といって好きになるでしょうか?
好きなものは好き!嫌いなものは嫌い!
感情そのものを直にコントロールするなんてできるわけがないんですよ

・行動のコントロール

自分の中で膨れ上がった感情が昂った時に人は周りに自分の感情を伝えるために行動を起こします
その感情の度合いが高くなればなるほど、少しでも早く伝えようと思いそこに費やす時間が短くなります
感情そのものをコントロールすることは困難ですが、
感情を伝えるために起こす行動をコントロールすることは必ずできるようになります
行動は訓練次第でいくらでも変えることが可能です

そしてアンガーマネジメントにおける行動コントロールの第一歩はコレ↓↓↓

2怒りを伝えるか伝えないか、それが問題だ!
(怒らないことで生まれる後悔をなくす)

相手に対して怒りを感じた時、その怒りを相手に伝えるか伝えないか………
怒ること自体を悪いことと思ってしまうと、怒りを相手に伝えることができなくなってしまいます
しかし自分が怒っているということを相手に伝えなければ、次もその次も同じことが繰り返されます
これが「怒らないことによって後悔する」ということになってしまいます
だからこそ、「自分の怒りを相手に伝えるか伝えないか」がポイントとなってきます
そのためにはまず「怒る基準」を明確にしましょう

怒る基準を決めるポイントは次の2つです

・出来るか出来ないか

自分が相手(周囲)に怒りを伝えることで状況を変えることが出来るか出来ないか
例えば外出中にいきなり豪雨に見舞われたとして………
「なんでいきなり雨が降るんだ!」と怒りを露わにしたところで天気は変わるでしょうか?
怒ったところで何も変わりませんよね
それがわかっているからタクシーを呼んだり傘を買ったり………その場で解決できる方法を探すのでしょう?

・重要か重要でないか

状況が変わる(変わらない)ことが自分の人生にとって重要か重要でないか
車を運転していて前の車の運転手がタバコを投げ捨てたとします………
当然ながら悪いことですよね、怒りの感情も湧いてくるかもしれません
しかしあなたの人生にとって前の車の運転手がタバコのポイ捨てをすること(しないこと)はどの程度重要なことでしょうか?
どんな人かわかりません、わざわざ車を降りて注意して………
逆に恨みを買うような危険を冒してまで相手の行動を変えることがあなたの人生にとって重要なことでしょうか?
正論を言えば注意する方が正しいのかもしれませんが、怒りうる危険を考えたら正論だけを押し通すのはどうなのでしょうか?
見て見ぬふりを正当化するつもりはありませんが、いつでも直球勝負ではなく時には変化球も必要では?


どうでしょうか?「怒ることは悪ではない」ということ、わかっていただけましたか?
これがわかるだけでも「怒り」という感情から解放されます
6月からのパワハラ防止法施行で部下への指導に躊躇を覚える方も多いでしょうが、怒ること、叱ることを怖がらないでください
正しく伝えることができれば必ずあなたの想いは伝わります(^▽^)/

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事