本当に必要な「マニュアル」作ってますか?

担当者の異動は一大事です

転勤や配置換えなどによって担当者が変わることって、別段珍しいことではないですよね?
私が勤めていたところもそうでしたが、転勤や配置換えは予測できません

2週間くらい前に内示があり、1日で引き継ぎをおこないあとは後任者におまかせという現状です
ときには係の責任者である係長と主任が同時に異動してしまうことも少なくはありません
しかも後任者はその業務の初心者………なんてことも………(´;ω;`)

実際私がはじめて交通安全教育を担当する部署に異動したときもそうでした
当時交通安全教育を担当するのはその部署で2人だけ(私と係長だけでした)
前任者が退職したため、急遽わたしが配属されたわけですが、異動してみてびっくり!!!

私は当時初めて経験する業務に配属………ということで、本当に一から覚えなくてはなりません
ところが、一緒に係に配属された上司もいままで交通安全教育など経験したことがないというではありませんか!
交通講話の経験どころか、大勢の前で話す機会なんて今まで一度もなかったのに、ある日いきなり「○○で△△を対象とした講話があるから120分話してきて~」って言われるんですよ!!
もちろんシナリオなんて用意されていません!!!
教材もありません!!!(啓発DVDだけあったかな?)

「講座の作り方」なんて教えてもらっているわけもなく、どんな順番で何を伝えればいいのか???
しかも本番はもう明日???
何とか形にするために事故の情報を集めて統計資料をもとに120分!!!唯一の教材である啓発DVDを使って持ちこたえる日々(´;ω;`)

もちろん交通安全教育以外の業務も沢山ありましたが、それらの全ての業務において担当者2人ともが全くの初心者だったから本当につらかったですねぇ(しみじみと………)

年間のスケジュールを把握して、協力団体を一から覚え、信頼関係を築き………
イベントを開催して本部へ詳細を報告………
許可申請の受理・許可証の交付・関係機関への連絡………
全てが初めての業務です

しかも周りには仕事の内容を聞けるような存在もなく………
本部が用意したマニュアルを見ても、あいまいすぎて具体的に何をすればいいのかわからず(´;ω;`)

業務全体のマニュアルはありますが、実際に現場で仕事をするにはそれだけでは到底不十分です
しかも私の時は現場の状況を知っている人間がまわりに誰もいなかったんですよ!!!
誰に聞いたら解決するのかもわからず、時間ばかり過ぎていく(泣)

イベントもなんとなくの見よう見まねでやってみるが、「前はそうじゃなかった!」とお叱りを受け………
「前のことなんか知るか!!!」って、何度投げ出したくなったことか………

マニュアルには「どの現場にも共通するマニュアル」と「その現場独自のマニュアル」があります
共通事項については本部が作成してくれるのですが、現場独自のものはすべて現場にお任せです
しかし、実際現場に放り出された担当者としてはどうしてもその「現場マニュアル」が欲しい!!!!

「現場マニュアル」の必要性は痛いほどわかっているのですが、日々の業務の忙しさに負けてなかなか作成することができない
しだいに自分の頭の中にマニュアルが出来上がってくるので、担当者本人はそれを作成しなくても仕事はまわっていくようになる
担当者は目の前の仕事をこなすために時間を使い、その後起こりうる問題(自分が異動する時のこと)まで考えていられない
そして「その日(担当者の異動)」をむかえる
後任者(特に初心者)困る………の繰り返し(´;ω;`)

ちなみに、わたしが異動してきた中で、唯一この「現場マニュアル」をほぼ完璧に作っていたところがあります
前任者が育児休暇に入る前に作ってくれたものです

窓口の担当者1人・補助者1人(通常は別の業務をやっています)で窓口をまわしていましたが、前担当者は半年後育児休暇に入ることがわかっていたことと、後任者がほぼ1人で窓口を回さないといけないことを知っていたので初心者が来てもなんとかなるようにと半年かけて詳細なマニュアルを作成してくれたのです
このマニュアルが完成したのには彼女一人の力では到底できなかったそうです
マニュアル作成の指示を彼女の上司が出し、完成させるためのサポートを係全体で取り組んだそうです

彼女がマニュアルを作成する時間を確保するために補助者に窓口をサポートするよう指示しました
「現場マニュアル」作成のための時間を確保することができた彼女は、現場担当者の目線から徹底的に「具体的にどう動けばいいのか」をマニュアルに落とし込みました

わたしは引継ぎの日にそのマニュアルをみて本当に驚きました
はじめての業務、しかも窓口担当者は私一人!という状況から不安に押しつぶされそうだったのが、マニュアルを見た瞬間「これならできる!」と実感しました
実際彼女が作った現場マニュアルはわたしのバイブルとなりました(^▽^)/

もちろんどうしてもわからないことは本部に聞いたり、補助者に助けを求めることもありましたが、そのマニュアルのおかげで他の人の手を煩わせることなく日常業務はすぐにスムーズにこなせるようになりました
現場マニュアルはまるで「前任者の分身」のごとく私に手取り足取り仕事を教えてくれたのです

現場担当者だからこそ作れるマニュアルがあります
そして、そのマニュアルこそ現場の人間にとって本当に必要なバイブルとなります

マニュアルを作るのにはとても時間がかかります
しかもそのマニュアルを作る人にとっては、当たり前のようにできる仕事なので無くても支障はありません
目の前の業務をつつがなくこなしていくだけなら「今」は困りません
しかし、もし担当者が変わったら………
もし後任者が全くに初心者だったら………
具体的な仕事内容を知っている人間が現場からいなくなってしまったら………

起こりうる「もしかしたら」を想定して、その問題を解決するための対策をあらかじめとっておくことができるかどうか?

「緊急ではないが重要なこと」のために時間をとってみてください
使った労力以上のリターンが返ってくるはずですよ(⌒∇⌒)

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