社員教育がうまくいかない典型的な2つのパターン

私は社員教育のご相談をうけると、まず最初に
会社の現状を根掘り葉掘り聞かせていただきます
離職率が高い会社や社員教育に手こずっている会社ほど、
「あまり話したくない」という雰囲気がバンバン伝わってきますが、
ココを聞かずに研修を実施すると高確率で失敗してしまいます

「話しにくいことも隠さずにお聞かせください、
そうしないとせっかく研修をやっても形だけで終わってしまいます」
とお願いし、とにかく現状の把握と理解に全力を注ぎます

そのうえで研修内容を提案させていただくのですが、
正直なところ研修内容そのものよりも現状把握と問題点の発見の方が
はるかに大切であると考えています

経営者であれば「ターゲット設定」の大切さはもうお分かりのことと思います
「自社の商品を最も効果的に使って頂けるお客様に商品を使っていただきたい」
「本当に必要としてくれるお客様に商品を提供したい」
と考えるでしょう?そしてそのために徹底的にお客様を理解しようと躍起になります
「顧客理解」の必要性がわかっているからこそですよね?

研修も同じで「どの人にどんな研修を提供するのが一番効果的なのか?」と考えます
そのためには、会社を知り社員を知る必要があるのです

これを省いて研修を実施することはとても危険なことなのです
ところが多くの経営者は「研修」を「年間行事の一つ」としてとらえてしまい
研修のための準備に掛ける時間と手間を嫌がり、
「去年と同じでいいか……」となってしまいます

研修を外部委託する場合も、社内で実施する場合も
共通して陥りがちな罠があります
それは………

1原因はココ!という先入観

離職率が高いことはわかっているが、その原因がどこにあるのかよくわからない
上司にあるのか?部下にあるのか?会社のシステムにあるのか?環境にあるのか?

よ~く話を聞いていくと、その原因が見えてきます。
しかし多くの社長さんは、
「原因は仕事を教える上司にあるから、上司のリーダーシップ力を高めてほしい」
とか、
「最近の子は受け身ばかりで自分から動こうとしないから、新入社員に
行動力アップの研修をしてほしい」
などと、最初から「原因は○○」と決めつけて研修を依頼されることがあります。

しかし多くの場合、原因と思っているところ以外に本当の問題があることが多いのです
実は、原因がすでに分かっているような場合、外部講師に依頼するまでもなく、
社内で解決できてしまうことが多いのです

原因と思っているところにアプローチしているにもかかわらず、
なぜか効果が出ない………そうなってくると、
何とかプロの手を借りて人材育成をしようと考えるのです

そして依頼するときも「○○の××力アップ研修をお願いします」と依頼していませんか?
もしかしたら本当の原因は違うところにあるかもしれませんよ
1歩前に戻って、「本当の原因は何?」から始めてみましょう

2教育プログラムをアップデートしていない

もう一つのパターンは、毎年決まった社員教育を実施しているが、
最近うまくいっていないように感じる………というパターン

おそらく、最初に成功したカリキュラムを毎年取り入れているのでしょう
しかしそのカリキュラム、何年前から続けていますか?
5年・10年もたてば、人は変わってきます。
そもそも小中学校の指導要領も、教育現場の状況も変わってきます

受講生の価値観が変われば、当然教え方も内容も変える必要があります
「俺が新入社員のころは○○のやり方でみんな仕事を覚えたものだ」とか
「理屈じゃない!体で覚えるんだ!」と言いながら「自分で考えろ!」とか………
(自分で考えるためには理屈を教えてくれないと………と思う部分もあるのですが)
よく言われる「ジェネレーションギャップ」というやつですね

10年前にうまくいったカリキュラムが今も効果的である保証はありません
しかし「(10年前に)上手くいった」という実績があるから、
その栄光を手放すことができなくなっている
のです
長年続いたカリキュラムを変えるというのは、会社にとってとても怖いことなのです
とくに担当者からすれば、「自分の代で失敗したくない」
「失敗するくらいなら今までと同じ内容で……」
という恐怖感から内容を変更することに消極的になってしまいます

10年前にうまくいった手法がいつまでも成功するなんて、本気で思っていますか?
人(受講生)は時代とともに変化していくのに、教育内容は同じなんて
ギャップは広がるばかりですよね
人が変わっていくのなら、当然教育内容もアップデートしていきましょう

「研修」は単なる「年間行事」ではありません
「年間行事」では人財は育ちません
「誰」に「どんな研修」を実施するのが最も効果的なのか?
まずはそこから考えてみましょう

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